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【家づくり成功マニュアル】
家づくりの成功はしっかりした資金計画から

これから家づくりを始めようという人に何が心配になるかを尋ねると、お金のことという答えが一番多いそうです。一生で一番高価な買い物ですから、無理もありません。

住宅ローンはちゃんと返していけるのか、そもそもそんな高額を自分が借りられるのか…。心配事は尽きません。

そこで、「家づくりは資金計画が何より大事」と言う株式会社江原工務店の江原真二社長に、どのように資金計画を立てれば不安が解消できるのか、お話をうかがいました。

取材・文◎板谷 智

写真◎土居政則

2018.08.22/イエマド編集部

家の価格の仕組みを知ろう

見学会に来られるお客様に家づくり全体の費用の話をすると驚かれることが多いです。というのも、よくチラシなどに坪単価いくらと書いてあるのを見かけますが、単価×坪数の金額で家は建てられると思っている方が意外と多いからです。

 

チラシには標準仕様の建物代しか載せていないことが多く、他にかかる諸々の費用については詳しく書かれていないことが多いのです。実際にはそれだけでは家は建ちません。

 

建物以外の費用として水道・ガス工事、玄関ポーチや駐車場などの外構工事、登記などの諸費用に加え、地盤改良が必要になることもあります。また、照明やカーテンなどの絶対に必要なものがオプションとなっていることもあります。

家づくり全体の3つの費用

家づくり全体の費用は、下記の3つの費用から成り立っています。

 

<建物の工事費用>

建物本体基本工事費用 / 建物外付帯工事費用 / 建築確認申請、設計費用 / 10年保証費用 / 地盤調査費用 / 照明器具 / カーテン工事 / オプション工事など

 

<建物以外の費用>

解体工事 / 外構造園工事 / 土盛り造成工事 / 地盤改良工事 / 上下水引き込み工事 / 浄化槽工事 / ガス工事 / エアコン工事 / 家具、家電 / その他雑工事 など

 

<その他の諸費用>

水道加入金 / 申請関係の費用 / 契約印紙代 / 登記にかかる費用 など

なぜチラシの値段で家が建たないの?

なぜこのように実際の費用とチラシなどに記載されている額に開きがあるのでしょう? それは、家の金額の表記の仕方が、このように書かなければいけないと統一されていないからです。

 

そのため、住宅会社によって表示されている価格に含まれている内容に違いがあるのです。家づくりの費用はこれくらいだろうとチラシやホームページから自分で判断するのはやめましょう。

 

では、住宅会社へ行って「いくらで家は建ちますか?」と聞けばいいのでしょうか? 家づくりにかかる費用は、どんな間取りを希望しているか、立地条件はどうかなど、プランによって全然違ってきます。

 

ですので、一般的にいくらで家が建つかということを聞いてもあまり意味はありません。問題はお客様が家づくりにいくらかけられるかです。では、それをどのように導き出せばいいのかを見ていきましょう。

家づくりにいくらかけられるか

先に自分が理想とする家の希望ばかり出してしまうと予算をオーバーした家づくりになってしまいます。それでは、家を建てた後の生活がままなりません。 家づくりの第一歩は、我が家の家計を把握することからです。

 

意外と自分たちの月々の家計がどうなっているか、わかっていない人は多いです。にもかかわらず、住宅ローンで月々に払える金額を、今の家賃程度だったり、プラス2万円くらいなら可能かな、などと安易に考えてしまいがちです。

 

安全な資金計画を立てるには、家計の実態をしっかり確認していく必要があります。食費にいくらくらいかけているか、光熱費にはいくら支払っているか、携帯電話などの通信費はどのくらいかかっているか。そして、ご夫妻の手取り額はいくらか。

 

弊社では、そういうことを書き出していくシートを用意していますので、漏らすことなく把握できるはずです。

 

手取り額から月々の費用を引くと、プラス2万円なんて払えないということに気づく方も少なくないでしょう。さらに、光熱費は戸建てになると確実に増えます。

 

月々に支払える額がわかるとそこから住宅ローンを組んだ際に借りられる金額がわかります。こうして、家づくりの総予算を出すのです。

<資金計画書>

家づくりにかかる費用がすべて網羅されている。最初の打ち合わせ時にこういうものを提示されると安心だ。

 

<ファイナンシャルプラン>

家計を把握するために使われる。お客様自身が「こんなに使っていたのか」と驚くこともしばしば。

保険を見直してみよう

家計を把握する際に、節約できるところはないか、見直してみましょう。ポイントはズバリ保険です。かなりの金額を支払っている方も少なくありません。自分がどういう保険に入っているか、一度見直しを検討した方がいいと思います。

 

その後にお金が返ってくる貯蓄型ならいいのですが、掛け捨て型なら特に見直した方がいいでしょう。必要以上に保険をかけている方も少なくありません。自分にとって一番必要な保険は何か、じっくり考えて検討しましょう。

 

住宅ローンを借りるときの条件として、団信(団体信用生命保険)への加入が必要となっているところがほとんどです。団信は住宅ローンを借りている人が亡くなったり、高度障害になった場合に、残りのローン額を充当してくれる保険です。

 

住宅ローンがなくなるのはありがたいことですが、手元にお金は残りません。その後の生活を考えると、ほかに保険に入っておくのはいいことですし、特に貯蓄型ならあとにお金を残すことも可能です。

先に銀行に行ってはいけない

先の手順を踏むと、銀行から借りる額を無理なく返せる金額で弾き出すことができます。

 

住宅ローンを組む際、まず銀行に行って、自分はいくらくらい借りられるのかを聞きたくなる人は少なくありません。銀行はすぐに計算してくれます。ところが、その額は年収から判断したものです。年収400万円ならこれくらいは貸し出せますと、限度額を教えてくれます。

 

気をつけなければいけないのは、この金額は銀行が貸せる額であって自分たちが返せる額ではないということです。

 

たとえば同じ年収400万円でも、Aさんは二人の子供がいて、家計に月30万円かかっているとします。Bさんは子供もいなくて家計は月20万円ですませているとしましょう。

 

銀行は家計を見ないので、年収が同じならAさんとBさんに同じ金額を貸せると言いますが、Aさんは相当厳しい返済計画になると考えられます。こうして実際に住宅ローンが返せずに家を手放す人が多いのです。

 

銀行は何も保証してくれません。安心して返していけるかどうかは、家計の把握から始めなければいけないというのはそういうことです。

 

しかも銀行は、年収から貸せる額を判断する際は、ボーナスも加えています。ボーナスはこのご時世、あてにできるものではありません。もし、出ない年があったらそれで返済が進まなくなってしまいます。

 

ですので弊社ではボーナスは加えず、予算を組むことにしています。予定通り出れば、それは趣味に使ったり、貯蓄したり、繰上げ返済に回せばいいでしょう。

無理のない住宅ローンを組むには

住宅ローンには、変動金利のもの、固定金利のものなどいろいろな商品が出ています。一般的には35年の固定金利のもので組むのがいいと思います。でも、お客様によっては定年前に返し終えたいのでもっと短い方がいいという方もいます。

 

確かに定年を過ぎても住宅ローンが残っているというのは不安ですからね。そうであれば、繰上げ返済で期間を短くする方法がおすすめです。

 

効果的な繰上げ返済は早い時期にすることです。住宅ローンは初めのうちは利息ばかり返して元本はあまり減りません。繰上げ返済は元本を減らすことができるので、総額での金利分の支払いを大幅に減らすことができ、とても効果的です。

 

そして繰上げ返済をした後は、月々の返済額を減らすのではなく、期間を減らすのです。金額にもよりますが、最初の頃なら何年という単位で期間を縮めることが可能です。

 

これを繰り返していけば、35年ローンの月返済額をキープしたまま、定年までに返済を終えるということも不可能ではありません。遅い時期の繰上げ返済はあまり効果がないので、やるならば早い方がいいでしょう。

 

もちろん、住宅ローンを始めたばかりの頃に繰上げ返済をするというのは簡単なことではありません。しかし、そこは家計を見直したり、ボーナスを使ったりすることで、意外と費用を捻出できる可能性もあります。

 

退職金を使って、残りのローンを支払おうと考える人もいると思いますが、退職金は老後の生活資金になるものでもあります。今後の年金もあまり期待できないということもありますので、できれば残しておきたいものです。

土地を買うのはいつがいいのか?

土地を買う前に、家づくりの総予算を出しておく必要があります。全体の予算を把握していないのに土地を買ってしまうと、残りの金額で家を買わなくてはならないからです。

 

しかも、土地を先に買おうと思っている人は、土地優先で考える人が多いので、いい物件を見つけると、多少予算オーバーでもつい買ってしまうのです。

 

その後で家づくりの費用を考えると、家の予算が足りず、希望の家が建たなくなることは多いです。もちろん、面倒を見なければいけない両親の近くにいい土地が見つかったとか、優先順位は人によって違いますので、土地が何より優先という人はそれでいいと思います。

 

最悪、家は後で増改築できますからね。でも、そういう事情がない人は、まず総予算を出して、建物にかかる予算、それ以外にかかる予算などをしっかり把握し、残った予算で土地を買うのが賢明です。土地購入はやり直しがきかないので、慎重に検討しましょう。

講師の会社をご紹介

代表取締役社長 江原真二さん

 

自分の家づくりと多くの家づくりに携わってきた経験から、本当にそこに住む家族が幸せになるには、しっかりした資金計画が必要と実感。建てた後に幸せにならなければ意味がない。

 

そのためには家計をベースに資金計画を立てなければいけないという信念を持つ。平成11年に設立した江原工務店は平成19年に株式会社になり、以降、地元小田原で新築/リフォーム工事を中心に、健康で幸せな家族づくりのための家を建て続けている。

家づくりのポリシー

家づくりは資金計画が何より大事と私が常に言っているのは、自分自身がそれで失敗しているからです。

 

27歳で私は初めて自分の家を建てようと決意しました。それまでの約10年で大工の修業をしていましたので、その知識も活かしておしゃれな家を立てたんです。きちんとした資金計画を立てることもせず、どんぶり勘定でつくってしまいました。

 

結果、家は建ちましたが、予算はかなりオーバーしてしまい、知り合いの業者さんに支払いを待ってもらったりしました。

 

その後の生活もかなり切り詰め、結婚したばかりの妻にもかなり苦労をさせてしまいました。「おしゃれな家」でワクワクするのは最初のうちだけ、そんなものは半年も経てば見飽きてしまいます。まだ子供がいなかったのでなんとかなりましたが、そんな経験をお客様には絶対してほしくないと思っています。

家づくりの特徴

[工法]

木造在来軸組工法

 

[金額]

35.55坪コミコミ住宅1474万円(税込)

 

[見学会]

毎月1回見学会、年間3~4回勉強会

 

[保険・保証]

地盤保証、住宅瑕疵担保責任保険(JIO)

 

[アフター点検]

6ヵ月、1年、2年、5年、10年

工務店情報

株式会社江原工務店

 

[住所] 神奈川県小田原市栢山2723-1

[TEL] 0465-38-1177 

[FAX] 0465-38-1178

[URL] http://ebarakoumuten.co.jp   

[メール] info@ebarakoumuten.co.jp